Ignite 2023 で気になった発表・更新内容
はじめに
確認した更新情報のソースは以下
Microsoft Ignite 2023 Book of News
なお、まだ実際に手を動かして確認したわけではなく、単にドキュメントを読んで理解した限りでの認識を書いているため、実際の挙動と異なる可能性があるのはご容赦願いたい。
気になった発表・更新内容
1.1 Azure AI Service
1.1.1. AZURE MACHINE LEARNING UPDATES STREAMLINE AND OPERATIONALIZE AI
半年ほど前に素の Open AI Service が出てきたと思っていたら、もう prompt flow なる開発統合環境のようなものが出てきた。
触ってないけどしばらく前の Machine Learning Studio に DevOps サポートなどをひっくるめたものを総称するようなものらしい。(そのわりには誤解されそうな名前に感じる)
Elevate Your LLM Applications to Production via LLMOps - Microsoft Community Hub
1.1.8. VECTOR SEARCH AND SEMANTIC RANKER NOW GENERALLY AVAILABLE IN AZURE AI SEARCH
あとは Azure AI Search が Azure Cognitive Search から名称変更。
MS ではサービスのリネームはよくあることだが、一度リネームされたサービスは再度されやすい気がする。(Cognitive Search になる前は Azure Search だった)
1.2 Azure Compute
1.2.1. NEW AMD-BASED AZURE VIRTUAL MACHINES NOW IN PREVIEW
D, E, F シリーズで v6 がリクエスト必須なパブリックプレビュー。
パフォーマンスが明らかによさそうなので切替の動機になりそう。リリースが楽しみ。
1.3 Azure Confidential Computing
おしごとでは特に利用してないが、AkS, Databricks などで機密情報を扱うための VM が利用できるようになったとか。
これまでサービスを利用できなかった業界に広がっていくのかな。
1.4 Azure Data
OneLake という組織に対する統合データレイクに関する発表がいくつか。
ADLS Gen2 互換なので、 Microsoft 365 のデータや Amazon S3 をリンクして ETL なしで利用するとか。
DataBricks や Power BI などで手軽にデータを扱えるようになるのかな。
1.4.5. MICROSOFT FABRIC NOW GENERALLY AVAILABLE
そしてそのデータを扱うためのサービスとして Fabric が GA。
SQL を AI に書いてもらったりもできそうなので、データの権限管理だけ適切に設定したらあとは各部門で分析・可視化は託していく、みたいなのが未来っぽい。
1.4.10. PERFORMANCE ENHANCEMENTS AND NEW AI CAPABILITIES FOR AZURE DATABASE FOR POSTGRESQL
Azure Database for PostgreSQL で azure_ai Extension for Postgres がパブリックプレビュー。
ローカル開発を考えると DB レイヤーでやるのがいいのかという気もするが、開発言語にとらわれないという意味ではわかりやすいかも。
1.5 Azure Infrastructure
1.5.1. AI INFRASTRUCTURE UPDATES
AI 向けと汎用向けのチップを発表。
垂直統合してるのは強いなという印象。
ハイパーバイザーを置き換える Azure Boost が GA。
対応している VM の SKU でパフォーマンス向上が図れるようで、ここでも最新シリーズへの切り替えの動機付けに。
1.6 Azure management operation
1.6.1. AZURE BUSINESS CONTINUITY CENTER HELPS MANAGE, PROTECT AND GOVERN RESOURCES AT SCALE, NOW IN PREVIEW
Azure Business Continuity Center が発表。
Recovery Service や Azure Monitor, Azure Advisor などが統合された新しいビューにそれらしい名前がついただけっぽい。
Announcement: Azure Monitor SCOM Managed Instance Public Preview is here!
2.1 Developer community
2.1.1. NEW AI MICROSOFT APPLIED SKILLS CREDENTIALS NOW AVAILABLE
資格が増えたのといつもの Cloud Skills Challenge の発表。
いつもと違うのは資格取得のバウチャーではなく Microsoft Build 2024 か Microsoft Ignite 2024 に参加できるフリーパスが賞品となっている。
Live at Ignite: Microsoft Credentials for AI and Cloud Skills Challenge - Microsoft Community Hub
2.2 Developer tool and DevOps
2.2.5. AZURE KUBERNETES SERVICE OFFERS NEW CAPABILITIES FOR AI AND MACHINE LEARNING WORKLOADS
大したことじゃないけど Kubernetes Fleet Manager で AKS のバージョンを管理できそうなので、ポリシーを決めてバージョンアップするのは気軽にやりやすいかもしれない。
特に複数案件を横断的に対応できると考えると面白そう。
Azure Kubernetes Fleet Manager を使用して、複数のクラスター全体で更新を調整する | Microsoft Learn
2.2.8. MICROSOFT OFFERING GUIDANCE TO HELP ORGANIZATIONS ESTABLISH PLATFORM ENGINEERING
platform engineering についてのドキュメントが公開。
開発者が数百人やそれ以上など、企業の規模がある程度大きくなるとこういう考え方が広まっていくのはなんとなくわかる。
数十人規模の組織にいたことしかない身としては、ちょっとまだこの思想は受け入れてもらえそうにない。。
What is platform engineering? | Microsoft Learn
4.1 Microsoft 365 App / Service
4.1.2. MICROSOFT CLIPCHAMP AND APP INTEGRATIONS FOR MICROSOFT DESIGNER NOW AVAILABLE
Microsoft Clipchamp と Microsoft Designer についての紹介。
Designer は画像作れて便利だなと思ってたけど動作もあったのね。
AI のサポートもありクリエイティブをセンスがなくても自分で作る風潮になっていくのはいいことだと思う。
New! Create videos and images at work with Clipchamp and Designer - Microsoft Community Hub
4.1.3. MICROSOFT LOOP NOW GENERALLY AVAILABLE WITH UPDATED FEATURES
Microsoft Loop が Microsoft 365 works account で GA。
かなり前に触ったときはいろいろ整ってなかったが、Wiki の決定版になれるのか気になる。
4.2 Microsoft Teams
4.2.2. MICROSOFT MESH GENERALLY AVAILABLE IN JANUARY
Microsoft Mesh が 2024/1 に GA 予定。
社内プレゼンとかで単に使ってみたい。最初は内容そっちのけで Mesh 自体に注意がひきつけられそう。
What’s New in Microsoft Teams | Microsoft Ignite 2023 - Microsoft Community Hub
4.2.3. NEW FEATURES AND ENHANCEMENTS IN MICROSOFT TEAMS
Teamsミーティングや通話での音声分離。
やたらうるさい場所でミーティングする人の周辺の音を拾うマイクにはかなり悩まされるので、アプリ側で削ってくれるのは非常にうれしい。
また、チャンネルアーカイブも 2024/1 予定。
What’s New in Microsoft Teams | Microsoft Ignite 2023 - Microsoft Community Hub
4.3 Microsoft Viva
4.3.1. UPDATES TO VIVA ENGAGE AND VIVA AMPLIFY
Viva GoalsとViva Engageの統合。
どこかで聞いたような話だ。
What's new for Viva Engage (Ignite 2023)
5.2 Azure management and operation
5.2.1. MICROSOFT COPILOT FOR AZURE BOOSTS PRODUCTIVITY WITH GENERATIVE AI
Microsoft Copilot for Azure で Azure の管理も Copilot にお任せ。
コスト削減やトラブル対処、設計立案などやってくれるとのこと。
ぜひ自分から仕事を奪っていってほしい。
Simplify IT management with Microsoft Copilot for Azure
5.3 Bing
5.3.1. BRINGING COPILOT TO EVERYONE
Bing Chat, Bing Chat Enterprise はただの Copilot になる。
微妙なリネーム。
Our vision to bring Microsoft Copilot to everyone, and more | Bing Search Blog
5.8 Microsoft Copilot for Microsoft 365
Microsoft 365 に対して本当に広範囲に提供してきたなという印象。
5.8.1. NEW CAPABILITIES IN MICROSOFT COPILOT FOR MICROSOFT 365
Microsoft Copilot Dashboard で組織への適用や影響度を確認できるとか。
導入してみよう。
Find the right app | Microsoft AppSource
Teams で Copilot が議事録取ってくれたり、フォローアップミーティングを設定してくれたりが 2024年にできるようになる。
雑用がなくなってくれるのはとてもよい。
5.8.3. INTRODUCING COPILOT FOR MICROSOFT 365 ADMIN IN PRIVATE PREVIEW
そんな M365 向けの Copilot の管理部門向けの機能も提供されている。
さきの Power BI Report との関連が少し気になる。こっちが先かな。
Ignite 2023 - What’s New for Copilot and Microsoft 365 admins - Microsoft Community Hub
5.8.4. INTRODUCING MICROSOFT COPILOT STUDIO
Microsoft Copilot Studio で Microsoft 365 の Copilot をカスタマイズする。
開発ツールがここでも出てきた。
Announcing Microsoft Copilot Studio | Microsoft 365 Blog
5.11 Security Copilot
5.11.1. MICROSOFT PURVIEW CAPABILITIES IN MICROSOFT SECURITY COPILOT AND EMBEDDING THE SECURITY COPILOT EXPERIENCE IN MICROSOFT PURVIEW SOLUTIONS
Microsoft Security Copilot が発表。
Microsoft Entra Id や Purview などセキュリティ要素が大きいサービスに対する知見を提供してくれる模様。
終わりに
大体ここでピックアップしたものは全体発表のごく一部で、さらにその中の5-6割しか実際には触ってない。
Copilot 系サービスが進化したことで、これまでよりも開発者寄りだったり、IT 管理部門の人がキャッチアップする必要が出てきたな、という印象を持った。
効率的にキャッチアップして、組織の生産性を効果的にしていきたいものだ。