Microsoft Build 2023 で気になった発表・更新内容

はじめに

昨年同様に Book of news や関連リンクを確認して、気になった発表内容についてコメントする。

kheiakiyama.hateblo.jp

まだ実際に手を動かして確認したわけではなく、単にドキュメントを読んで理解した限りでの認識を書いているため、実際の挙動と異なる可能性があるのはご容赦願いたい。

確認した更新情報のソースは以下

Microsoft Build 2023 Book of News

気になった発表・更新内容

AI Plugins

関連記事の

Microsoft outlines framework for building AI apps and copilots; expands AI plugin ecosystem - Source

によると

That technology allows ChatGPT and Bing Chat to help you find and book a restaurant reservation using an OpenTable plugin, for example.

なので、 SaaS のサービスに対して ChatGPT でアクションできるようなプラグインを開発できるようになるとのこと。
プラグイン側の認証ってどうなるんだろう。

これは非常に夢が広がる話で、一気に世界中に広がった ChatGPT がさらに盤石になる一手だと思う。

Copilot in Power BI

自然言語でレポートや DAX 関数などを作ってくれるとか。

Power BI レベルが低くてやりたいことを表現できないことが多々ある。
そのためこれを言語によって代わりに作ってくれるのならありがたい。

Microsoft Azure Container Storage

AKS で PersistentVolume(PV) を使うワークロードがある場合の有力な選択肢、ってことでいいのかな。
お作法上はディスクを利用しないほうがいいと思うので、よくある Web アプリなら利用することはないかもしれない。

Azure Monitor managed service for Prometheus - generally available

まだ真面目に使ってない。
GA して料金も正式なものになったはずなので料金を気にしながら使っていけるかな。(Public Preview のときは半額だったり無料だったりするため)

と思ったら Metrics queries はまだプレビューというよくわからない状態。
Pricing - Azure Monitor | Microsoft Azure

料金表が更新されてないだけ、ということはないはずだけど。

AI-powered functionality in Cost Management

Azure のコスト分析に AI が導入されて自然言語でコストの分析ができるとか。
節約方法とか、どのくらい賢く説明してくれるんだろう。
一部の仕事を失うことになるのかどうかが気になるところ。(ぜひ奪ってほしい)

Azure confidential computing

VM をはじめ、ACI, AKS, Databricks などで機密情報を扱うための仕組みが提供される模様。
このあたり、 AI 系サービスの広がりに対して守りも固めてきたという印象。

Azure Deployment Environments

カタログに ARM Template or Terraform コード(現在は承認制の Early access のみ) を登録さえすれば、環境を丸ごと作成したり、その権限制御やデプロイの CI/CD を包括的に管理できるサービス、ということかな。

環境共通のリソースはどうするのか、とか細かいことは気になるものの、場面によっては有効なサービスだとは思う。
再利用性のあるカタログを用意できるような状況であることや、インフラ管理部門が複数の開発部門に対して決まったカタログでバンバンデプロイするようなケースとか、シングルテナントのサービスを BtoB で複数顧客に提供する場合とか。 単にドメイン固有なインフラを開発・検証・本番環境で管理するだけなら、もうこのサービスを使わずに自前で整備している気がする。

しかしドキュメントがかなり整備されていて、力が入っているのを感じる。(7年がかりとあったしそういうことなのかも) Azure Deployment Environments とは - Azure Deployment Environments | Microsoft Learn

GitHub Advanced Security for Azure DevOps

GitHub と同じ機能が Azure DevOps にも提供されるとのこと。
エンタープライズでは Azure DevOps のほうを選択しがちなのでよいこと。

気になるのはインフラとアプリが別ロール、別チームになりがちな日本の現場において、 インフラ側でこの機能を提案して導入された後、アプリ側が感度高くセキュリティ対策に取り組んでいけるのだろうか、という点。

Azure Linux as a container host operating system (OS) for Azure Kubernetes Service (AKS) is now generally available

いわゆる Amazon Linux みたいなやつとして Azure LinuxAKS 向けに GA したということ。
存在を認識してなかった。

パフォーマンスがよくなるのか試してみたい

Azure Container Apps jobs now in preview

Container App にこれがなかったから AKS 使い続けていた、という人はいそう。
これまでの選択肢だと Logic App + Container Instance とかでどうにかするしかなかったが、これができるなら AKS を捨てる選択肢が結構ありえそう。

わかってるな、という感じ。

Long-term support is now generally available, starting with Kubernetes 1.27

2年のサポート期間が提供されると。

AKS 使っていると3,4か月くらいで更新し続けなくてはならないつらみがあったが、VM のように長めのサポート期間が提供される模様。
とはいえ技術の変革速度はこれまで通り早いのでは?という気がするのと、技術者が離れやすくなって、保守してくれる人が結果的にいなくなってしまうという問題が起きないだろうか。
まあこれは技術的な問題というよりも組織的な問題。

Microsoft 365 Copilot

Microsoft 365 のデータを参照可能な AI に自然言語で QA できる。

有給とった翌日に Teams のアクティビティを要約してもらうとかが期待される。

適切な権限設定がされていないと、これまで以上に機密情報が AI によって可視化されてしまう問題も起きそうな気がする。

Microsoft Edge Workspaces

Ignite のときも気になってたやつが、そろそろ GA するらしい。
kheiakiyama.hateblo.jp

そういえば Chrome をやめて Edge に切り替えてた。
最近の ChatGPT の影響で Edge ユーザは増えていると思うので、この機能を活用できるシーンも増えるかも。

Integrate their apps and services into Microsoft 365 Copilot with plugins

冒頭の AI Plugins で記載されていたアプリケーション・サービスと Microsoft 365 Copilot との連携。

夢が広がる。

Microsoft Mesh | Avatars for Microsoft Teams

自分の代わりにアバターを Teams で表示したり、アバターで仮想空間上でインタラクションできる。

コロナ禍でこういうサービスちょっと流行った感があったけど、Microsoft が出してくると大抵は追加コストなしで導入できてしまうので、競合がなくなっていくなあという印象。
実際流行るのかは謎。自分は普通に顔出しすればいいのでは派なので。

Power Automate - Copilot and refreshed cloud flow designer

Power Automate で Copilot でフローを作ってくれる。

Logic App には来るのかな。Automate でしかできない系をやめてほしい。

Windows Copilot

Windows Copilot will start to become available in preview for Windows 11 in June

最後の Windows こと Windows 10 から Windows 11 に更新したい、という IT 管理部門への問い合わせが増えそう。

終わりに

気づけばブログ更新が Microsoft イベントのときだけになってしまった。
改善していきたい。