60過ぎの母親に最近のスマートフォン事情を説明した話

smartphone bayby step

photo credit: IntelFreePress via photopin cc


スマホはよくわからない。」
「通話とメールができれば十分だよ。」
「私はガラケーでいい。」


そう言い続けていた母も、2年前に乗り換えで余った iPhone4 をあげたことや、昨今のCMの影響でスマホに興味が湧いたようなので、一度説明してみることにした。


スマホ

母:そもそもスマホって何なの?iPhone とは違うの?


僕:(そうか、スタート地点はここか〜)
僕:(Android なんて言ってもわかんないだろうな〜)
僕:ガラケーは分かる?


母:うん


僕:じゃあすぐわかるよ。
僕:iPhone あげたよね。スマホiPhone とか『他のいろんな機種』をまとめてスマホって呼んでるんだよ。


母:なるほど。じゃあ CM でやってたらくらくホンは?


僕:さっきやってたタッチできるやつだね。それもスマホ。タッチできるやつは大体そうだと思ってていいよ。


母:そういうことね。スマホの中に iPhone があると。


僕:そうそう。(いいね、復唱大事)


Android

母:スマホにはすごくいろんな機種があるけど、そこはどうなってるの?


僕:(ここは鬼門だ。Android なんて言うと意味がわからないだろうからなあ)
僕:うん、そこでさっき言った『他のいろんな機種』なんだけど、iPhone 以外は大体似たような機種なんだよ。

僕:(ここで欲張って firephone の説明なんてしちゃいけない)
僕:ガラケーもそうだけど、スマホってほぼパソコンとイコールなのはイメージつくかな?


母:うん。


僕:普段使ってるパソコンは Windows 入ってるよね。じゃあ MacWindows が入ってるかってわかる?


母:ううん、わからん。入ってないの?


僕:うん。俺のパソコンは諸事情で入れてあるんだけど、基本的には入ってないんだよ。
僕:Mac には Apple が作ってる Mac 用の Windows みたいなソフトが入ってるんだよ。


母:うん。


僕:で、携帯の話に戻すと、iPhoneiPhone 用のソフトが入ってるんだよね。
僕:iPhone 以外の『他のいろんな機種』は、大体 Google が作った Google のソフトが入ってるんだ。
僕:だからどれを選んでも大体同じような使い勝手になってるんだ。


母:う〜ん。。


僕:(こりゃ Google にピンときてないな)
僕:Google は知ってるよね?


母:さすがに知ってるよ。バカにしないでよ。


僕:そりゃそうか。じゃあ Google って何で儲けてるかわかる?


母:うーん、わかんない。考えたことないなあ。


僕:みんな検索するじゃん。その広告でお金をもらってるんだよ。


母:あーそうか。


僕:検索で稼ぐ商売だから、世の中の人がインターネット使ってくれれば儲かるんだよ。
僕:だから Googleスマホのソフトを作ってるんだ。


母:頭いいんだね。


僕:そりゃーね。
僕:なので、スマホiPhoneGoogle のソフトが載ってるやつの2種類が大きくあるって思ってもらえれば大体OKかな。


母:おー、そういうことだったのか。
母:でもそれって何が違うの?


僕:うーんと、ざっくり言うと、関わる会社の意志が違うんだよね。
僕:たとえば Google のほうはさっき言ったとおり検索の会社じゃん。


母:うん。


僕:Google はわりとオープンな会社で、何でもできるようにするかわりに何かあったら自己責任だよ、って態度なんだよね。
僕:一方、Apple はこだわりがある会社で、たとえば Mac とか iPhone はデザインとかってすごく凝ってる気がしない?


母:よくわからないけど言われてみればそうかも。


僕:凝ってるの。そういうことにしといてよ。
僕:それで Apple はとにかく自分たちがこれがいい!ってものを使って欲しいから、Google に比べてある程度の制限をしてるんだよ。


母:ほうほう。


僕:たとえばパソコンにウイルス対策ソフト入れるよね。


母:うん、入れてるね。


僕:でも iPhone 入れないよね?


母:そういえば入れてないかな。少なくとも私は。


僕:Apple はアプリがおかしなことをできないようにアプリを審査してるんだ。
僕:一方 Google は審査なしでもアプリを公開できるようにしてるんだ。だからそっちだとウイルスの心配があるから、パソコンと同じようにウイルス対策ソフトを入れないといけないとか、考える必要が出てくるんだよ。


母:それはめんどくさいね。


僕:そうなんだよ。だから(母)みたいなよくわかってない人がスマホ使うなら iPhone 使っておいたほうが手堅いと思うよ。
僕:だから少なくとも買うときは相談してよね。


母:うん、どうせわかんないし、もし買うときはそうするよ。


キャリアと SIM

母:そういえばスマホって docomo とか softbank とかいろんなところが出してるじゃん?そこらへんはどうなの?


僕:(あー、やっぱ機種とかキャリアってごっちゃになるよな)
僕:うーんと、今 docomo だよね。


母:うん。


僕:俺は softbankiPhone。でも iPhone って他の会社からも出てるのは知ってるよね?


母:うん。


僕:携帯の中にはどういう契約をしたよって情報を持っている、通信のためのチップみたいなのが入ってるんだよ。
僕:そうしないと docomo とか softbank が誰に料金を請求していいかが分からないじゃん?


母:ああ、そうだね。


僕:んでこのチップは差し替えることができるんだよ。
僕:(この際、SIMフリーが当然かのように説明しておこう)
僕:iPhonesoftbank のチップを挿してるけど、au に変えることだってできるわけだ。


母:なるほどね。
母:そういえばヤマダ電機とかで格安スマホとかって見たけどそれのこと?


僕:月額1000円とかそういうやつかな。
僕:最近はこのチップのところをいろんな会社が売ってるんだよ。


母:そうだったんだ。でもなんで?何が違うの?


僕:え〜と、単純に言えば、安いやつはネットが遅いんだよね。


母:?


僕:家のインターネットって、昔は電話回線で、ホームページ見るのも画面の上のほうから少しずつ表示されてたりしたんだよ。
僕:(ってこの時代でネット使ってなかったからわかんないか)
僕:今は光回線とか言うけどすごく早そうじゃない?


母:あー、なるほど。たしかにね。


僕:それと同じで、格安料金のやつはスピードを制限してるんだよ。


母:私みたいなんだったらそれでもいいかもね。


僕:そうだね。動画見るとかあんまりしない人は十分なんだろうね。
僕:それから、そういう docomosoftbank みたいなとこ以外の家電量販店が出してるような契約プランはちょっと気をつけないといけないんだ。


母:何を?


僕:さっきチップを差し替えられるって言ったけど、日本では docomosoftbank みたいな携帯のキャリアが差し替えできないようにしてるんだよ。


母:何で?何でそういうことするの?


僕:簡単に差し替えできると乗り換えられちゃうじゃん。
僕:その代わりいいこともあって、昔は携帯0円の時代とかもあったよね。


母:そういえばそんなときもあったね。今は高いけど。


僕:そう。昔は通信代で元が取れるから本体を安くしてくれてたんだよ。
僕:それと同じで、差し替えできないかわりに本体代を安くしてくれてるんだ。
僕:iPhone で差し替えできるやつは 7万円くらいするけど、softbank で買うと本体代はほとんどかからないんだよね。


母:なるほどね〜。


僕:だからそういう格安のチップを使いたいなら、高い本体代を払って本体を買わないといけない、と。


母:おお、やっぱりスマホは高いし、まだちょっといいかな。
母:でも今日はけっこういろいろわかった気がする。ありがとう。


僕:いえいえ。でもすぐに忘れて明日あたりにまた同じこと聞かないでね。


母:それはわからないな。


僕:・・・


最後に

母は下のような前提知識で、ITリテラシー低めな層のど真ん中。

  • パソコンを仕事で使ってる
  • Word と Excel はわかる
  • Windows はわかっても Windows7 とか OS とかはわからない
  • インターネットはわかっても IEChrome なんてわからない


上が大体把握できていたんで、人に説明するときに意識すべきポイントがうまくハマったと思う。
僕が意識してるポイントは以下。

  • 相手が何を知っているか、何を知らないかを把握する
  • 「知ってること」と「知らないこと」をセットにする
  • たまに「知ってること」と「知ってること」をセットにして褒める


Android とか SIM って言葉そのものもおさえておきたかったけど、言葉を覚えるのが得意じゃないタイプには中身を理解してもらってからのほうが早いのでそっちを優先した。
感覚さえつかめれば後で言葉だけ覚えるのはカンタン。


たぶん多くの家庭では僕と同じようなシチュエーションに出くわしていると思う。
大変だけどITリテラシーを高めるのは大事なことなので、みなさんがんばってください。


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